血痕分析/鑑定

犯罪や事故などの証拠資料のなかでヒトに由来する細胞や組織片は、
法医学的鑑定に委ねることになるのですが
このような法医学的証拠資料は、捜査や裁判まで、その果たす役割は極めて大きいのです。

血痕分析/鑑定

そのなかで、最も重要な証拠が「血痕」です。

外観検査(肉眼による所見検査)

血痕らしきものが発見されると外観検査が実施されます。

血痕鑑定で最も重要なのがこの外観検査(形態検査)です。
この検査を誤ると大事な証拠となる血痕を汚したり破壊してしまう恐れがあるからです。

<形態検査>
血痕色調/陳旧性  血餅形成の有無  輪郭の形状

上記の検査を行うことで、血痕か否かがある程度判定可能です。

また、血痕色調は経年によって変化するこも知られています。
(新)暗赤色→赤褐色→褐色→緑褐色→暗灰色→灰色→退色(古)
専用のチャート表(比色計)を用いて「色調検査」を行います。

この検査を行うことで血痕の可能が高いのか否かを判定することができます。

(ただし、血痕の経過期間の判定は困難です)

血痕検査で判明すること

血痕検査により判明する事柄は、大きく分けて2種あります。
一つめは、その血痕の形態・状態・大きさから事件や事故の状態を推測すること。
二つめは、その血痕の持ち主を決定すること。

<現場状況を推測する>
例えば、事件が発生し犯行に刃物の凶器が用いられれば、
被害者の血管から出た血液が、事件現場はもちろん、
犯人の衣服や犯人の持つ凶器にも付着します。

血痕の形状は、出血部位・血液の粘稠度・滴下量が起因となり
付着する物質との距離・角度などで決定されています。

人体から出た血液は、数分間は凝固しません。
粘稠な液体となって様々なものに付着します。

血痕は、法医学鑑定を行うために採取されますが、
採取する前段階で、必ず色調/形状/大きさを観察/記録することが要求されます。

事件現場の床や事故現場の壁/天井に見られる血痕は
「滴下血痕」「飛沫血痕」の二つに別けられています。

「滴下血痕」は、ある高さから血痕が垂直落下したものを指します。
刺された被害者が歩いた場合、床には円形の血痕が残ります。

「飛沫血痕」は、動脈切断による場合と、凶器の振り上げ運動により
壁や天井に飛来した血液を指します。
通常は「!」←このような形になります。

下の画像は血痕が付着角度によりどう変化するか実験したものです。
左の90°は垂直落下した「滴下血痕」、右10°は壁に見られる「飛沫血痕」

血痕

(Henry Lee's Crime Scene Handbook)

下の画像は高さの変化により大きさがどう変化するか実験したものです。
血痕は粘性を持つので、高さにより大きさが変化します。

血痕

(Henry Lee's Crime Scene Handbook)

2次的な血痕には「擦過血痕」や衣服等に付く「付着血痕」があります。
下の画像は「擦過血痕」と呼ばれ、触れたり擦れたりしてできた斑痕です。
特徴は、浸透性のある布地でも表面のみ斑痕として存在し裏側には染み込みません。

血痕

(Henry Lee's Crime Scene Handbook)

上記でご説明した通り、血痕付着には「一定の法則」が存在します。

ですから、血痕の形状を観察すると、
出血した被害者の位置や現場状況も推定することが可能な場合もあります。

血痕

すなわち、犯行現場や事故現場に於ける血痕は、
先ず外観形状を捜査官が目視で探査し、
犯行状況や事故状況の推測を可能とする、最も重要な証拠なのです。

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