COLUMN
 更新日:2024.03.05
投稿日:2023.02.14

遺言書の筆跡鑑定は信用できるのか?鑑定の目的や種類、実例を紹介

「遺言書を筆跡鑑定してもらいたいけれど、どうすればいいかわからない」

「本当に筆跡鑑定は重要なのだろうか」

遺言書に偽造の可能性がある場合、多くの方は筆跡鑑定を検討するでしょう。ただ、筆跡鑑定は鑑定機関によって結果が異なることも少なくありません。

遺言書に関する裁判で不利にならないためにも、筆跡鑑定機関は慎重に選ぶことをおすすめします。本記事では遺言書を筆跡鑑定する目的や遺言書の種類、注意点、鑑定機関の選び方などを解説します。

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遺言書の鑑定目的

遺言書の鑑定目的は大きく分けて2つあります。

  • 「遺言者本人の筆跡であるか否か」を確認する
  • 「遺言書が偽造された可能性」を確認する

「遺言者本人の筆跡」を確認する

遺言書の筆跡鑑定は「本人の筆跡であるか否か」を確認することが一般的です。自筆証書遺言の場合、本人の筆跡でなければ認められないからです。

(自筆証書遺言)第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
引用:e-GOV|民法(明治二十九年法律第八十九号)

つまり、誰かに偽造された可能性がある場合、その遺言書は無効になります。しかも偽造した人物が相続人である場合、欠格事由に該当するため、相続権を失います。

遺言書が「本人の筆跡かどうか」を正確に見極める方法の一つが筆跡鑑定です。依頼する鑑定機関を間違わなければ、高い精度で「本人の筆跡かどうか」がわかります。一方で、科学的根拠に乏しい方法で筆跡鑑定をおこなっている鑑定機関を利用するのはおすすめできません。

当社は最新の技術と機器を用いて、科学的かつ客観性の高い筆跡鑑定をおこないます。

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「遺言書が偽造された可能性」を確認する

筆跡鑑定には「遺言書が偽造された可能性」を確認するという目的もあります。遺言書は偽造されるケースも少なくありません。

実際に、遺言書の検認数は増加傾向にあります。

  • 2020年:18,277件
  • 2019年:18,624件
  • 2018年:17,487件
  • 2017年:17,394件
  • 2016年:17,205件

遺言書の筆跡が「別人の可能性がある」として、裁判所から調査を指示されることも少なくありません。このような場合にきちんとした鑑定結果を提出できないと、遺言書が無効になってしまう恐れもあるでしょう。

遺言書の筆跡鑑定の種類

筆跡鑑定は遺言書が「有効か無効か」を大きく左右するものです。ただ、一言で「遺言書」といっても3つの種類があります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

ここではそれぞれの遺言書を詳しく解説します。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、故人が自筆、押印した遺言書のことです。自筆、押印していれば、ほかに細かい条件はありません。したがって、最も多くの方に利用される遺言書のパターンといえるでしょう。

細かい条件がないために「偽造されやすい」という特徴があります。また、自筆が条件であるため、「遺言書だから上手に書こう」として筆跡が変わり、普段書く筆跡と見た目が異なる可能性があります。このように、自筆証書遺言はしっかりと筆跡鑑定することが重要です。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証人が遺言書を作成する遺言書のことです。公証人とは、公証人法の規定により,判事,検事,法務事務官などを長く務めた法律実務の経験豊かな者の中から法務大臣が任免し,国の公務をつかさどり,実質的意義における公務員に当たる人物でです。公証人に公正証書を発行してもらうことにより自筆証書遺言よりも法的な効力を高めたものになります。

一方で、費用がかかってしまううえに2人以上の証人を用意しなければなりません。このように「作成のハードルが高い」というデメリットがある点に要注意です。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは遺言の存在を秘密にする遺言書のことです。作成した遺言書を公証役場に持っていき、手続きをおこなうことで有効になります。

秘密証書遺言の大きな点は、パソコン(ワープロ)の使用も認められている点です。パソコンで作った遺言書であれば、基本的に偽造や変造はできません。もっとも、秘密証書遺言は3つのなかでも特に数が少ない特殊な遺言の方法です。

遺言書の筆跡鑑定は信用できるのか

遺言書の多くは「自筆証書遺言」で作られます。自筆証書遺言には、偽造や変造されやすいというデメリットがあります。場合によっては「本人のものではない可能性がある」と調査を求められることもあるでしょう。

ここで重要なのが筆跡鑑定です。ただ、筆跡鑑定に関しては「本当に信用できるのだろうか」と不安に思う方も多いでしょう。そこで、筆跡鑑定に関して以下の点を解説します。

  • 裁判では「本人が書いたことが分かる資料」が重要になる
  • 根拠のある筆跡鑑定でなければあまり意味がない
  • 筆跡鑑定以外の要素も重要になる

裁判では「本人が書いたことが分かる資料」が重要になる

筆跡鑑定はかならずしも「証拠品」とみなされるわけではありません。DNA鑑定と違って、手法が1つに統一されておらず、独自の理論で筆跡鑑定を行っている自称鑑定人も存在するためです。例えば、DNA鑑定はどのような鑑定機関を用いても同じ結果が出ますが、筆跡鑑定は結果が異なることも少なくないのです。

だからといって、けっして無駄なものではありません。むしろ、確実な証拠品とならなくても重要資料とみなされることが多いです。

遺言書が有効かどうかを考えるうえで最も重要なのが「本人が遺言書を書いたのか」という点です。この問題を解決するためには、筆跡鑑定は必須といえるでしょう。

根拠のある筆跡鑑定でなければあまり意味がない

筆跡鑑定は根拠のある筆跡鑑定でなければあまり意味がない、と考えてください。上述したとおり信憑性を疑われる可能性もあるため、鑑定機関を選ぶ際には、慎重に選びましょう。

鑑定機関のなかには、いわゆる「長年の勘」「職人の目」という非科学的なものに頼っているところも少なくありません。このような鑑定方法は主観の要素が強く、鑑定機関によって結果が大きくことなります。

裁判において重要視されるのは、以下の点をすべて兼ね備えた筆跡鑑定です。

  • 科学的な根拠があり実証できるか
  • ピアレビューもしくは出版されているか
  • 専門分野で一般的に受け入られているか

これらの条件をクリアできない鑑定機関はあまりおすすめできません。

筆跡鑑定以外の要素も重要になる

遺言書の筆跡鑑定は筆跡鑑定以外の要素も重要になります。例えば「仙台高判令3・1・13判タ1491・57」という判例では、筆跡が同一であるとする鑑定書が証拠として提出されたものの、信用性が否定されたのです。また、「東京地判令3・4・2」でも同じように、鑑定書の信用性が否定されています。

このように、筆跡鑑定の内容によっては、鑑定結果の信用性が疑われ、証拠として採用されないケースもあります。そのため、信頼できる鑑定機関を選ぶここと同時に、遺言作成の経緯や遺言発見者の説明など「筆跡鑑定以外の要素」もしっかり検証する必要があります。

遺言書の筆跡鑑定を依頼する際の注意点

遺言書の筆跡鑑定を依頼する際には、知っておくべき注意点がいくつかあります。特に気を付けなければならないのが以下の2点です。

  • ・筆跡鑑定を実施したい文字に漢字が含まれていること
  • ※ひらがな・カタカナ・数字・英語などでは鑑定が実施できない場合があります。
  • ・対照資料(対照筆者が記載したことが明らかな資料)内に筆跡鑑定を実施したい文字と同一の文字があること。
  • ・対照資料が3~5点あること
  • ・文字が鮮明であること(複写物でも可能)

鑑定機関を慎重に検討する

最も重要なのが鑑定機関の選定です。鑑定機関の選定を誤ると、裁判の際に資料としてみとめられない可能性がや対向鑑定(相手側より提出される筆跡鑑定書)の方が信用性が高いとの評価で自分に不利な判決につながる可能性があります。

例えば、鑑定人の主観によるものであり、科学的な根拠や客観的なデータがない場合、資料として重要視される可能性は低いでしょう。お金の無駄になってしまううえに、遺言書が無効になる可能性もあります。

鑑定資料を収集する

筆跡鑑定に必要な条件は以下のとおりです。

  • 筆跡鑑定を実施したい資料:1点
  • 筆者が明確な資料:3~5点

筆跡鑑定に用いられる資料は次のような資料が挙げられます。

  • 年賀状や手紙、宅急便/郵便の伝票など
  • 契約書類(不動産売買契約書・賃貸契約書・抵当権設定契約書・雇用契約書など)
  • 申込書類(払戻請求書、入会申込書、利用申込書など)
  • 日記や手帳、など
  • パスポート、クレジットカード(背面の署名)

但し、以下のような書類については、鑑定の精度が低下する可能性があるため注意が必要です。

  • ​​記載時期が前後5年を超えている資料
  • 同じ書類に複数回記載されているもの
  • 筆やサインペンなど筆記具が異なるもの
  • 認知症・統合失調症など病気の前後のもの

信憑性の高い筆跡鑑定なら法科学鑑定研究所

信憑性の高い筆跡鑑定なら法科学鑑定研究所にご相談ください。ここでは法科学鑑定研究所のポイントと費用、筆跡鑑定の流れを説明します。

法科学鑑定研究所のポイント

法科学鑑定研究所を選ぶべき理由は以下の3つです。

  • 最新機器と技術、そして科学的な手法を用いて鑑定する
  • 専門性の高い学会に所属し、毎年研究発表している。
  • 裁判所や警察庁などから依頼された実績がある

最新機器と技術、そして科学的な手法を用いて鑑定する

法科学鑑定研究所は最新機器・技術を用いて科学的な鑑定をいます。具体的な機器は以下のとおりです。

文書鑑定システムVSC(画像スペクトルコンパレーター)警察の犯罪捜査にも採用されている強力な文書鑑定システム。可視光線や赤外線、紫外線等の光源などを用いて、肉眼では観察できない違いを検出する
高性能デジタルマイクロスコープ筆記具の運筆状態やインク画線の交わり、朱肉の状態、レーザープリンターやインクジェットプリンターの印刷状態などを高精細かつ高倍率で観察する
赤外線イメージスキャナー加筆された文字や消除された文字や筆記具を識別する
静電筆圧痕検出装置ESDA検出困難なわずかな圧痕を静電法で検出する

さらに、当社の筆跡鑑定人はテレビドラマでもおなじみの「科学捜査研究所(科捜研)」出身です。筆跡鑑定のエキスパートであるため、安心してご依頼ください。

専門性の高い学会に所属し、毎年論文を発表している

当社は以下の学会に所属し、毎年、論文を発表しています。

  • 日本応用心理学会
  • 日本法科学技術学会など

論文を発表すると、有識者からさまざまな意見や指摘を受けます。そうすることで、より科学的かつ客観的な鑑定ができるようになるのです。

裁判所や警察庁などから依頼された実績がある

当社は科学的かつ客観的な筆跡鑑定が認められ、裁判所や官庁、法律事務所。弁護士事務所から依頼されることも少なくありません。

過去5年間の累計受任件数は約400件以上で、相談累計は3,000件以上にも上ります。

筆跡鑑定の費用

項目費用(税込)期間
事前相談(電話・メール)無料
事前相談(来社)5,500円/30分
鑑定(検査回答書)220,000円~約3~4週間
鑑定書作成(裁判資料)330,000円~約3~4週間
意見書作成(裁判資料)330,000円~約4週間

来社で事前相談される場合、5,500円/30分の料金がかかってしまう点に注意してください。

裁判で筆跡鑑定を利用する場合、鑑定書の作成が大切です。単なる検査回答書だけなら、信用性を認めてもらえない可能性があるでしょう。

筆跡鑑定費用一覧はこちら

筆跡鑑定の流れ

筆跡鑑定の流れは以下のとおりです。

  1. 無料相談
  2. 鑑定可能かどうかの回答と見積もり
  3. 鑑定の実施

まずは無料相談をご利用ください。電話やメールなら、無料で承ります。ここでは以下の点をお伝えください。

  • 筆跡鑑定を実施する背景
  • 鑑定資料の種類と数量

ご依頼内容を精査し、「鑑定可能かどうか」を回答いたします。鑑定可能であれば見積もりを送付いたします。鑑定を依頼したい資料やデータをお送りください。

お支払い頂いたあと、鑑定を実施します。

遺言書が疑わしいときは筆跡鑑定を

遺言書は偽造や変造される可能性があります。特に、自筆証書遺言はすべて自筆でおこなうこと以外に条件がありません。したがって、疑わしいと感じる場合はすぐに筆跡鑑定することが大切です。

筆跡鑑定で最も重要な点は根拠です。科学的な根拠がなければ、信用性を認めてもらうことはできません。当社の場合、最新の機器を使って科学的かつ客観的な鑑定結果を抽出いたします。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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