犯罪と科学捜査 続 DNA型鑑定の歩み
「刑事裁判からDNA型鑑定証拠を排除すべし」と主張した「DNA戦争」と題する論説が
米国で発表されたのは1989年のことである。
そして今、DNA型鑑定が犯罪捜査に果たす役割はきわめて大きいものとなっている。
その一方で、「DNA型鑑定とは何か」「DNA型データベースとは何か」等々が、
人々に正しく理解されているとはいい難い状況である。
本書では、法科学の専門家が、世界各地で実際に起こった事件を取上げ、
犯罪捜査・刑事裁判の過程を追いながら、
「DNA型鑑定」の全容を一般の人にもわかるように解説している。
著者:瀬田 季茂 セタ スエシゲ
1936年(昭和11年)、東京に生まれる。
1961年、東京大学 農学部獣医学科を卒業、科学警察研究所入所。
ミュンヘン大学に留学、組織学・発生学研究所、法医学研究所にて研究に従事。
「科学警察研究所 法科学第一部長」、「科学警察研究所 副所長」、「法科学研修所長」を歴任。
現在、聖マリアンナ医科大学 客員教授。
国際法科学誌「Forensic Science Review」の編集委員も務める。
日本の高度成長期に科学警察研究所を支えた一人、物怖じしない戦う研究者の異名を持つ偉人。
DNA研究に関して世界的に著名な「瀬田 教授」・・国内鑑定業界のドン・・的存在
文章は読みやすく、展開も早い、数多い修羅場を経験した本物の科学技術者の本は、楽しく解り易い。
著者:井上 堯子 イノウエ タカコ
富山県生まれ。1968年、お茶の水女子大学理学部化学科卒業。薬学博士。
科学警察研究所「化学第一研究室主任研究官」、「化学第一研究室長」、
「法科学第三部長」を歴任
著書として「乱用薬物の化学~科学のとびら43~」
「覚せい剤Q&A―捜査官のための化学ガイド」がある