日本人の指紋の種類
日本人の指紋の種類
指紋の隆線が紋様を形成する最小成分は、曲・直・長・短などです。
これらの集合体が中成分となり、端末点、分岐点、接合点などを形成していきます。
そして、これら複雑な特徴点を、決められた一定の方法で分類を行います。
この統一された分類に分ける事で、はじめて「個人識別」が可能になります。
複雑な紋様である指紋を、一定の法則により分類し理解が出来る。と言うことなのです。
日本の指紋の分類
複雑な特徴点を、決められた一定の方法で分類を行います。
弓 状 紋
日本人の約10%
アメリカでは約5%
蹄 状 紋
日本人の約40%
アメリカでは約60%
渦 状 紋
日本人の約50%
アメリカでは約35%
指紋の紋様は、統一基準である分類の基準が定められています。
同一条件で分類が行われることで、得られる利点は2点
1. 識別を簡単にする。 2. 公平な鑑別が出来る。
日本での指紋分類は、第1分類から第8分類までに分けられています。
簡単に説明すると「大分類から」「小分類」に順次分類して行くと言うことです。
分類を少し紹介してみます。
「弓状紋」→ 弓状腺で形成される紋様
「蹄状紋」→ 蹄状線を含み、その流れの方向の反対側に三角州を有する紋様
「甲種蹄状紋」→ 蹄状紋のうち、蹄状線が拇指側に流れる紋様
「乙種蹄状紋」→ 蹄状紋のうち、蹄状線が子指側に流れる紋様
「渦状紋」→ 環状・うず巻状・二重てい形状などの隆線の左右に三角州を有する紋様
「変体紋」→ 渦状紋・蹄状紋・弓状紋のいずれにも属さない紋様
「損傷紋」→ 生後、外傷により永久的な損傷を負った紋様
「不完全紋」→ 一時的な創傷、摩擦、火傷などにより分類出来ない紋様
「欠如紋」→ 指頭部の大部分が欠如(切り落とされた)により分類出来ない紋様
主要9種分類だけでも、これだけあります。一つの指には上記が2つ以上混合する人も存在しますよね。
これ以外に細分類は・・・(書きます?知りたい?)
・・例えば弓状紋だけでも、第1分類から第4分類まで、分類総数29種類・・(重っ;
やめときますね♪ 論文などで詳細が必要な方はメールにてご質問下さい
この分類が人の10本の指にバラバラに有るのです。
統計学上で分析すると・・・・・。(気が遠ぉぉぉくなりますよね)
気分をかえて、軽めなお話を(^^;
・・・日本人の場合の親和性・・・
人差し指に多い型 : 弓状紋・甲種蹄状紋
中指と小指に多い型 : 乙種蹄状紋
親指と薬指に多い型 : 渦状紋
さぁ~拡大鏡で自分の指紋を見てみましょう
足の指の指紋が気になったあなた・・すごく素質があります^^
世界共通の指紋の照合法は、まず最初に、紋型を比較します・・・そして紋型が同じなら特徴点法に移行します
ですから、この紋型判定は、本当に重要なのです。
てか・・この紋型判定だけでも・・すごい識別能力があるんです・・ホントはね
でも時代が許さなかった・・ある出来事・・そのうち書きます・・乞うご期待
紋型の研究は現在もヨーロッパを中心として進められています。意外にロシアの文献も多いです。
世界中に残存するイエスキリストの指紋「実録キリストの指紋分析 ~実は○○だった!~」
とか・・書いてみたいけど・・あぶない・・ですかねぇ~
隆線の秘密
みなさんは、手の汗は、どこから汗をかくのか・・・知っていますか?
「そりゃ・・汗の出口=汗口でしょ!」
じゃぁ、その汗口って、手のどこにあると思います?
「・・シワ模様の谷のところでしょ←キッパリ・・」
では・・・調べてみましょ♪
手のシワ模様=「隆線」を医学的・組織学的に観察してみましょ♪
隆線の皮膚は、表皮との間の真皮面に乳頭状の盛り上がりの列が続くため、表皮越しに皮膚は何列も、もりあがり隆線が造られています。
隆線の上部(ピーク部)には、無数の汗腺が連続し、汗口が並んでいます。
実は、手の汗は、隆線のテッペン、凸部の先端から出てきます。
インスタント印鑑と同じ仕組みです・・・不思議ですよねぇ~
また、指紋部の触覚は、きわめて鋭敏な構造をしています。少し触れただけで、認識できる鋭い感覚が存在しているのです。隆線の下部(凹部)には、鋭い触覚小体が並んで存在しているのです。
つまり、凸部の先端には汗口があり、凹部の底には触覚小体が住んでいます
・・指先の隆線は・・
細かい物などは、隆線の凹凸が存在するために、野球のグローブのように、凹部の触覚小体に、直接触れる仕組みになっています。
逆に、熱い石などの場合は、凸部が触覚小体を守る働きもします。
不思議でしょ (
再生する指紋
組織学的に手のひらを見てみると、脂肪層がありません。
人の体のなかで脂肪層が存在しない皮膚は、手のひらと足の裏だけなのです。
もし、指先の皮膚が、そぎ取られるようなことがあっても、皮膚が再生してくる時には、すでに指紋を持っていて隆線が復元します。
指先の皮膚の表面を火や薬品などで焼いたり、皮膚を剥がしたり、植皮(整形手術)しても、その皮膚の下から現れてくる隆線によって指紋は再び再現され、元通り修復されます。
傷つけられた指紋は「損傷指紋」もしくは「不完全指紋」として分類され区別されます。ヒトの指紋は、「消滅」もしくは「変更」することは「不可能」なのです。
指紋の大きさ
法医学的に指紋を見てみると、ヒトの指紋の形成は胎生5ヵ月頃に始まります。
(生まれる前に、指紋は出来上がっています。指紋=ヒトそのもの、なのです)
生後、身体発育と共に指紋は増大していきます。
日本人の指先3mm四方の隆線数、これを研究された先生がいます。
8歳児と20歳の3mm四方の隆線数は、20歳になる頃には、約半数に減っていることが報告されていました。
(つまり、ヒトの指紋は、約2倍にまで成長すると言うことですね^^)
高齢になると、手掌紋の皮膚は硬化し摩耗してしまいます。
(代謝が摩擦に追いつかず、摩耗が進行するのです)
すると、指紋の印象は不鮮明になって行きます。
ですから、指紋は年齢推定の一助けに、なる事もあるのです。
神秘なる指紋
ヒトの指先は、本当に神秘にあふれているのです。
研究が進められ、新しい事実が確認されると、驚きと謎がドンドン増してきます。
指先の隆線は謎だらけなのです。本当に神秘にあふれているのです。
そして指先の神秘が、高度な文明を作り上げたのです。
人種によって指紋分類の傾向があることも、確認されています。
アメリカで発表された法人類学者の論文によると。
アフリカ原種民には弓状紋が多く、渦状紋は少ない。
この傾向は、一部のアラブ民族やオースラリアのアボリジニなども同じ。
ヨーロッパ人やアフリカのネグロイドでは蹄状紋が多く、弓状紋は少ない。
アジアのモンゴロイドでは渦状紋が多く、弓状紋は少ない。
(日本人も、このグループといえますね)
さらに、人種民族により、隆線の数にも差異が確認されています。
(つまり、民族人種により、隆線が多い人種と少ない人種が存在します)
この指紋の隆線は人類学上、神秘的な部分が多く、現在でも世界中で研究が進められています。
・・・もっと隆線の研究が進めば・・・
人類の持つ神秘の謎が解ける・・・かも
ビックリするようなニュースも、そんなに先のお話では。
ないはず・・です。
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