Fingerprint

指紋鑑定の歴史

指紋鑑定 科学捜査の王者!

指紋の鑑定は、個人特定に使われる最もオーソドックスな、鑑定方法の一つです。
テレビや映画などにも、頻繁に登場します。
みなさまにも、お馴染みの鑑定方法ですよね。

テレビや映画によく登場する指紋判別の場面で、2つの指紋を重ね合わせる手法(映像)が出てきます。
ご覧になられた方が多いと思われます。
ですが、本物の指紋鑑定現場では、この手法は行いません・・・!?
なぜなら、指紋は押圧の加減で「変形」するからです。

指紋鑑定

指紋鑑定の歴史 日本文化が引き金だった!

皮膚紋様の持つ特殊性を科学的に記録した最初の人は、イギリスの「ネヘミア・グルー博士」と記されています。
グルー博士は英国王室協会の医科大学・特別研究員でした。1684年「指紋に関する研究報告」を英国学士院に、提出しました。
研究報告の内容は、汗口や表皮隆起線と、その配置について述べ指先と手の平の皮膚紋様描写図が示されていました。
この研究報告が「指紋」に関する最初の研究とされています。
この報告後、多くの学者が指紋の研究を開始しました。そして、指紋科学という新しい科学が確立されていきました。
この指紋科学を実際に利用し、個人識別できないかと考えた科学者が現れました

そして、指紋実用化研究論文を、世界に向け最初に送り出した人こそ「ヘンリー・フォールズ先生」なのです。

Dr Henry Faulds

フォールズ先生は、1874年(明治7年)にキリスト教の宣教師として、日本に来日、医師でもあるフォールズ先生は、現在の中央区明石町に「築地病院」を設立し、診療にあたりました。
また、フォールズ先生は、雑誌社を創立とともに、科学雑誌に論文を投稿する著名な科学者でも、ありました。

フォールズ先生は、当時の(明治中期)日本人が行っていた証文に爪印(拇印)を押す習慣に興味を示し、大森貝塚の発掘を手伝った際、出土された縄文土器の表面に付いていた「指紋」から、「土器の作者を特定出来るのでは?」と、指紋の研究を進めました。

指紋から個人識別する研究の成果として、当時勤務していた病院の医療用アルコールを盗み飲みしていた学生の割り出しや、侵入窃盗の容疑者の疑いを晴らすのに役立ったというエピソードも残されています。
(・・見かけより、お茶目な先生だったのかも・・)

そして、続けられた研究の成果を、1880年世界的に権威のある科学誌「ネイチャー」に「指紋による科学的個人識別に関する研究論文」を投稿、世界に発表されました。

・・研究された、論文の内容は・・
指紋は、身体の成長や歳月の経過よって自然変化を生じることなく
「万人不同」 「終生不変」 であり、個人識別&個人特定の役に立つと発表されました。

・・・つまり・・・
人の指紋は一生変化することはない、また、一卵性双生児であっても違う指紋である。だから指紋をみれば、誰かが分かる。

この研究論文に一早く関心を示したのが「イギリス警察」でした。
指紋の「不同性」と「不変性」についての理解は深まりましたが、実用化にとっての大きな壁は、その複雑な紋様の分類方法でした。
そして、イギリス警察(スコットランド・ヤード)総監になったエドワード・ヘンリーなどによって、この壁も乗り越えられ、1901年、ロンドン警視庁による「ヘンリー式指紋法」の全面的採用が決定!
以降、個人識別の決定的な手段としての指紋の実用化は世界各国に急速に拡がることとなりました。

日本では、1908年(明治41年)司法省が監獄に指紋押捺の実施を訓令し、日本の行刑制度に指紋法が導入され、犯罪特定の切り札として利用される様になり、指紋検出の技術や指紋判別のシステム等も日々進化を続けています。

聖路加病院の隣にある石碑

指紋研究発祥の地

指紋法50周年記念碑

ヘンリーフォールズ先生の碑

日本の指紋鑑定の実力!

現在、日本の指紋識別技術力は世界トップクラス!!

警察庁は個人識別の手法として、DNA型情報のデータベース化を始動しました。これによって指紋の鑑定数が少なくなるとは考えられません。それは、DNA型鑑定よりも指紋鑑定の方が、速度や正確さ、コスト面において優れているからです。
実力のある日本人指紋鑑定人は、各国の警察関係機関に指紋鑑定の技術指導の為に、尽力しています。

指紋は犯罪捜査で利用されるだけではありません。

重要な役割のひとつは、亡くなった方の身元確認です。地震や津波などの災害で亡くなった方の身元を確認する手段として、圧倒的に重要な手掛かりとは、「指紋」と「歯型」なのです。
ですから、世界的災害現場(2004年インドネシア・スマトラ大地震)などでも科学力/技術力 の高い日本人指紋鑑定人が、数多く要請を受け、災害現場に向かいました。

さらに、米国司法局など 国際司法の場に指紋鑑定書を提出する、世界的に実力を認められている日本人指紋鑑定人もいるのです。

私たち法科研では、最高レベルの鑑定力とコストパフォーマンスに優れた指紋鑑定を心掛けています。
ぜひ、お問い合わせください。