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指紋鑑定

指紋検出-シアノ法

指紋検出-シアノ法

化学反応を応用する指紋検出

シアノアクリレートという化合物を応用する検出方法です。このシアノアクリレート樹脂は1950年代に金属やプラスチックなどの瞬間接着剤として開発されました。

シアノアクリレート自体は液体ですが、ほんの少しでも水分があると、その水分と結びついて固まる性質があります。

そこで接着させたい物質に一滴たらすと、このシアノアクリレートが、空気中の水分と結びついて瞬間的にポリマーに変化し固まります。

この性質を応用してヒトの指紋に含まれる成分を検出しようと研究が進められました。

日本で開発されたシアノ法!そして世界へ

1978年、日本で開発されたシアノ法が世界に発表されました。

この発表に、いち早く興味を示したのがアメリカの法科学者たちでした。
その後、世界中で改良が加えられ、世界中の科学捜査現場で採用されています。

(テレビのCSIシリーズは、シアノガス大好きなんでしょうね)
(確かに、白いガスを吹きかけると)
(・・指紋がジワ~と浮かんでくるシーンは・・)
(・・自分たちで実施していても・・超カッコいい・・です・・)

このシアノ法はヒト指紋に含まれる成分に重合反応させる方法です。

まず、シアノアクリレートを調整溶解した溶液をつくります。
その調合試薬を研究用ホットプレートに2~3滴、滴下します。
指紋検出したい検体とホットプレートを検出用ボックスに入れ、
ホットプレートを加熱、シアノアクリレートの蒸気に暴露させます。

すると潜在指紋の隆線に含まれる成分が重合反応の開始剤となり、ポリマー変化現象を起こし、指紋が白く浮かび上がってきます。

と・・・少し難しく書いてみましたが

・・瞬間接着剤とかを溶媒調整して・・
・・気化(ガス化)して・・吹き付ける・・だけです・・

ただし、急激にポリマー変化しますので・・教材には不向きです。
ガス化したものを吸い込んだり・・目にかかったりしたら・・怖~(><;

進化を続ける指紋検出シアノ法

科学捜査で使用されるシアノガスは様々物の検出を行います。

ガラス製品、拳銃、ナイフの柄、車のステアリング、バック・・などなど、ほとんどの物に対して有効な指掌紋検出方法といえます。

現在、このシアノガスを応用した技術が急速に進化しています。

以前は大型の設備が必要だった機器も小型化が進み、事件現場で使用ができる物も続々と開発されています。

(シアノガン、シアノホルダー(弾)のサイズにより様々な物品に対応する)

万能試薬のシアノガスにも不得意の物があります。
それは、数か月から数年経った古い試料、または水没した凶器などでした。しかし この装置が難なく解決してしまいました。

(指紋の生理学的な電解質に着目したイオン発生装置 + 検出ボックス)

シアノ試薬にも様々なオプシュンが装備され、進化が進んでいます。
検出物や状況により変化させ検出することができます。

(粉末タイプの蛍光染色シアノ)

指紋検出を数度に分けて行いたい・・ありますよねぇ~

様々な色のシアノや反応暴露速度の異なるシアノを使い分けることで
1回目検出指紋と2回目検出指紋を識別することが可能なのです。

これらの他に、2次染色による検出も進化し続けています。

シアノ法で採取した指紋を様々な蛍光試料で染色します。
そしてALSを利用し励起光で発光させ採取されます。