COLUMN
2023.04.12

薬物検査のしくみや方法とは?スクリーニング検査キットや費用も解説

「薬物検査を実施したいが、どのようにおこなうのか知っておきたい」

「具体的なしくみや費用を知りたい」

薬物検査の実施が必要になった際、このような不安や疑問を抱える方は少なくありません。大切なのは確実な結果が得られるよう、薬物検査に関する知識をしっかり備えておくことです。

本記事では「薬物検査とは何か」を説明し、しくみやスクリーニング検査キット、検査費用などを解説します。

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薬物検査とは

薬物検査とは、尿や髪の毛、血液、呼吸、汗、口腔液といった検体から「特定の薬物を使用していないか」を分析することです。

ここではどのような人が薬物検査の対象になるのか、どの種類の薬物が薬物検査の対象になるのか解説します。

薬物検査の対象となる人

薬物検査の対象となる人は様々です。

薬物の使用が疑われている人もそうですが、過去に逮捕歴がある人だけでなく、特定の業種では、入社時の検査を必須としている場合もあります。

薬物使用が疑われている人企業スポーツチームやスポーツ団体/連盟に所属するスポーツ選手海外の企業に研修で行く予定がある人運送業者や飛行機のパイロットなど人命にかかわる仕事をする人

薬物検査の対象となる物質

薬物検査は一部の物質のみを検出します。対象となる代表的な物質は以下のとおりです。

覚せい剤(アンフェタミン・メタンフェタミン)コカイン大麻(マリファナ)ヘロインモルヒネ系麻薬(オピエート系麻薬)フェンシクリジン類(PCP)MDMA(合成麻薬)LSD(幻覚剤)

これらの薬物は所持や使用しているだけで犯罪になる薬物ですが、不適切な使用や過度な接種が問題となるため、薬物検査の対象となる薬物もあります。

アルコールベンゾジアゼピン系睡眠薬バルビツール酸系睡眠薬三環系抗うつ薬(TCA)

薬物検査のしくみ

薬物検査で使用するものを「検体」と呼びます。検体には血液や毛髪、唾液などさまざまな種類がありますが、今回は尿を用いた薬物検査の流れと方法について解説します。

薬物検査の流れ

まずは、提出された検体である尿が薬物検査に適するものか調べます。これは薬物検査を免れるために、尿以外の液体を提出する場合があるためです。薬物検査に不適であれば再提出となり、適切であれば次にスクリーニング検査が行われます。

スクリーニング検査とは文字通り「ふるい分ける(Screening)」検査であり、陽性と陰性を簡易的に振り分けします。そのため、本来は違法薬物ではない薬物も偽陽性反応として陽性反応を示すことがあります。陰性の場合は、薬物使用の疑いが低いとして陰性報告されます。一方、陽性の場合は、薬物使用の疑いが残るため、確認検査の実施が必要となります。

薬物検査の方法

スクリーニング検査では、検査試薬(EMIT法)などにより薬物検査をおこないます。

確認検査では、LC-MS/MS法という液体クロマトグラフィー法とタンデム質量分析法と組み合わせた分析方法などにより検査します。

薬物検査キットとは

薬物検査キットとは、スクリーニング検査で用いられる簡易的に薬物検査が可能な検査デバイスのことで、世界中で様々な種類の簡易スクリーニング検査キットが販売されています。ここでは代表的な尿中簡易スクリーニングキットについて解説します。

薬物検査キットの原理

薬物検査キットには、さまざまな原理のものがあります。その一つが「イムノクロマト法」です。

イムノクロマト法はセルロース膜の上を検体が試薬を溶かしながらゆっくりと流れます。溶けた検体に目的の薬物が含まれていると、検出ラインが出現します。

※出典:尿中薬物検査キット「INSTANT-VIEW® M-I」の 基礎的検討

薬物検査キットを利用するメリット

薬物検査キットのメリットには主に2つのメリットがあります。

  • 外部機関に出向かなくても検査ができる
  • 専門知識が必要なく簡単にできる

外部機関に出向かなくても検査ができる

簡易検査キットを使用すれば、自宅やオフィスなどで薬物検査ができます。簡易検査キット以外の方法として病院を受診して薬物検査を実施する方法もありますが、薬物検査を実施している病院を探す必要があり、また診療時間内に受診する必要があるため、手軽に検査が可能です。

また、社内のスタッフ等の薬物検査を内々の確認目的で行いたい場合、場所を選ばず、簡易的に行えるため、薬物検査キットの使用がおすすめです。

専門知識が必要なく簡単にできる

薬物検査キットは誰でも簡単に使用できます。キット以外の道具や専門知識は必要ありません。

さらに、どのような薬物検査キットにも分かりやすい取扱説明書が付いています。書かれている手順に従うだけで、約10分で陽性、陰性の判定ができます。判定方法もカラー写真で説明されているので、専門知識がなくても検査結果を確認することができるでしょう。

法科学鑑定研究所の薬物検査実例

法科学鑑定研究所では数多くの薬物検査を実施してきました。ここでは薬物検査を実施した3例を紹介します。

企業チーム所属選手が薬物使用で逮捕された

まずは、企業チーム所属選手が薬物使用で逮捕されたことによる薬物検査実例です。とある企業チームの所属選手1名が大麻所持の現行犯で逮捕されました。このことがきっかけとなり、当該チームとその企業が保有する全てのスポーツチームが活動休止を迫られたのです。

活動休止はチームにとっても運営会社にとっても大きな痛手です。そこで運営会社は早期の活動再開を目指すべく、所属する全選手及び全スタッフに薬物検査を実施しました。その実施先となったのが当社です。

当社は運営会社のチームに対して立ち合い付きの毛髪薬物検査を実施しました。ここで毛髪薬物検査を選択したのは、できるだけ長期間の薬物使用の疑いを晴らすためです。

当社では依頼者の希望に合わせて検査方法の提案やプランニングを実施しています。

毛髪薬物検査では、無事に全選手・全スタッフが陰性で、早期に活動再開が可能となりました。また、新たに入団する選手の、毛髪薬物検査の義務化や定期的な抜き打ち尿中薬物検査の実施も決定し、薬物汚染防止プログラムとして運用されています。

プロスポーツ団体で薬物汚染対策をしたい

次に、とあるプロスポーツ団体で薬物検査を実施した例です。近年、10代や20代の若いスポーツ選手の活躍が見られる一方で、薬物汚染の低年齢化も進んでいます。厚生労働省によると、大麻取締法違反検挙人員で特に増加しているのが「未成年の検挙者数」です。

※出典:厚生労働省

このような背景から「薬物汚染対策プログラムの強化として、定期的な薬物スクリーニング検査を実施したい」との依頼を受けました。そこで当社は定期的な唾液薬物スクリーニング検査と陽性時の確認検査を実施して薬物特定をおこないました。

所属タレントの薬物汚染疑惑を払拭したい

最後に、芸能事務所から依頼を受けたケースです。所属タレントに根も葉もない薬物使用の噂が広がり、週刊誌でも取り上げられたことから、「無実を証明したい」として依頼を受けました。

立ち会い証明付き毛髪薬物検査を実施し、立ち会い証明付き尿中薬物スクリーニング検査を行いました。

薬物検査の料金

薬物検査の料金は検体や対象薬物の種類、被験者数などによって変わります。ここでは当社で取り扱う、以下2つの費用を紹介します。

  • 薬物検査キットの費用
  • 薬物検査の費用

スクリーニング検査キットの費用

検査キット名費用試料検出可能な物質
Drug Test Saliva 7CA3,740円~唾液覚せい剤・大麻・コカインなどスタンダードな7種
Drug Test Saliva 9CB4,510円~唾液覚せい剤・大麻・コカインなどスタンダードな7種に加え、合成麻薬のMDMAやブプレノルフィンなども可能
Drug Test Urine A102,970円~尿覚せい剤・大麻・コカインから睡眠薬まで合計10種
Drug Test Urine B62,310円~尿覚せい剤・大麻・コカインなどの6種類

薬物検査キットを選ぶポイントは「検体を何を選ぶか」と「その薬物を調べるか」が重要です。

薬物検査キットはほとんどが複数の対象薬物がパッケージになっています。自分の調べたい薬物が全て含まれているか確認しましょう。

薬物検査の費用

薬物検査の費用は主に3つに分かれます。

  • 麻薬・規制薬物の薬物検査
  • 危険ドラッグ・脱法ハーブの薬物検査
  • 睡眠薬類・規制薬物の薬物検査

麻薬・規制薬物の薬物検査

検査試料検出可能期間報告方法・期間費用
唾液2-3日口頭報告2~3営業日13,200円
検査回答書2~3営業日19,800円
尿3-5日口頭報告2~3営業日13,200円
検査回答書2~3営業日19,800円
毛髪90~120日検査回答書(※1)7~10営業日99,000円⇒77,000円

危険ドラッグ・脱法ハーブの薬物検査

検査試料検出可能期間報告方法・期間費用
尿3-5日口頭報告2~3営業日13,200円
検査回答書2~3営業日19,800円
毛髪90~120日検査回答書(※1)7~10営業日99,000円⇒77,000円

睡眠薬類・規制薬物の薬物検査

検査試料検出可能期間報告方法・期間費用
唾液2-3日口頭報告2~3営業日13,200円
検査回答書2~3営業日19,800円
尿3-5日口頭報告2~3営業日13,200円
検査回答書2~3営業日19,800円
毛髪90~120日検査回答書(※1)7~10営業日99,000円⇒77,000円

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薬物検査に関するよくある質問

薬物検査をするかどうか考えるシーンでは、さまざまな疑問が湧いてくるでしょう。ここでは薬物検査に関するよくある質問をまとめました。

薬物検査で薬物反応が出る期間は?

  • 尿検査:約6時間〜4日
  • 唾液:約6時間〜3日
  • 毛髪:約2週間〜4ヵ月

一般的に、上記の機関で薬物反応が出るとされています。ただし、薬物の種類や身体状態、薬物の使用頻度によって異なります。

薬物検査はどうやってやる?

主にスクリーニング検査です。尿や唾液といった検体を採取し、検査試薬(EMIT法)を使って陰性か陽性かを判断します。

ただ、薬物によって反応が出る機関が異なります。「どの期間の薬物摂取を確認したいか」によって検査試料を選択しましょう。

薬物で捕まったらどうなる?

薬物によって罰則が異なります。例えば覚せい剤の場合、10年以下の懲役が科せられます。

第四十一条の三 次の各号の一に該当する者は、十年以下の懲役に処する。一 第十九条(使用の禁止)の規定に違反した者
出典:覚醒剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)

大麻など他の薬物は、覚せい剤よりも罰則が緩やかです。とはいえ、基本的には懲役に処される可能性が高いといえるでしょう。

デートレイプドラッグってなに

近年被害が広がっている、女性に睡眠薬を飲ませて昏睡状態の時にレイプする犯罪のことです。

睡眠薬を飲まされるため、当社の薬物検査で検出できる可能性があります。

薬物検査なら法科学鑑定研究所

薬物検査機関は数多く存在しますが、信頼できるところで検査をおこなうことが重要です。なぜなら、薬物検査の結果に間違いがあると、検査を受けた人の人生や所属する団体・組織、企業に深刻な影響を与えかねないからです。

精度の高い薬物検査機関をお探しの場合、法科学鑑定研究所をご利用ください。法科学鑑定研究所は多数の実績があり、100名を超える大規模なスクリーニング検査から対象者1名の即日出張採取まで対応しています。

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