COLUMN
2023.01.13

DNA鑑定で父親じゃなかったらどうなる?鑑定方法の種類や流れを解説

「子どもの父親は自分じゃないのかもしれない」

「もし父親じゃなかったらどうすればいいのだろう」

母親に対して浮気や不倫の疑惑がある場合、このような不安を抱く男性も少なくないでしょう。結論に触れると、DNA鑑定で父親じゃなかったとしても、つまり子どもの血の繋がった父親があなたでなかったとしても、養育費の支払い義務が生じる可能性があります。

法律上の親子関係を解消できれば原則として支払い義務は生じませんが、タイムリミットがある点に注意してください。本記事ではDNA鑑定で父親じゃなかったらどうなるのか、具体的な流れを詳しく解説します。

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DNA鑑定で父親じゃなかったらどうなる?

DNA鑑定はほぼ100%の精度で生物学的父親かどうか(血がつながっているかどうか)がわかります。もし「父親じゃない」とわかった場合、気になるのは以下の2点でしょう。

  • 養育費支払義務はある?
  • 離婚できる?

養育費支払義務はある?

養育費の支払義務が発生する可能性があります。最高裁判所の判決(平成26年7月17日)によると、「DNA鑑定による生物学上の親子関係」よりも「嫡出推定による法律上の親子関係」が優先されるからです。

ただし、「嫡出推定による法律上の親子関係」を否定すれば、養育費の支払義務は原則として発生しません。法律上の親子関係を解消するための方法は以下の2つです。

  • 嫡出否認の訴えを提起する
  • 親子関係不存在確認の裁判を提起する

前者には1年以内という期限が設けられています。

(嫡出否認の訴えの出訴期間)第七百七十七条 嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。
引用:e-GOV|民法(明治二十九年法律第八十九号)

後者に期限はありませんが、厳しい条件に当てはまらなければ利用できません。つまり、「1年以内に嫡出否認しなければ養育費の支払義務を拒むことは難しい」といえるでしょう。

すこしでも「自分の子どもではないのかもしれない」と感じたら、早めにDNA鑑定することをおすすめします。

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離婚できる?

離婚できる可能性は高いといえるでしょう。DNA鑑定で親子関係がないと明らかになれば、妻は夫以外の男性と不貞行為をしたことが明らかだからです。妻の有責性も明らかであり、慰謝料の請求も可能です。

ただ、妻に有責性があったとしても、妻のほうが収入が少なければ婚姻費用を支払わなければなりません。民法第752条では、次のように定められています。

(同居、協力及び扶助の義務)第七百五十二条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
引用:e-GOV|民法(明治二十九年法律第八十九号)

このように定められているため、妻から「生活費を支払ってほしい」と請求された場合、原則として断ることはできません。婚姻費用の支払いを拒むことは、民法第752条違反になりかねないのです。もっとも、別居に至った原因が妻の不貞行為にあれば、減額されることもあるでしょう。

DNA鑑定で父親じゃなかったときにすべきこと

DNA鑑定で父親じゃないとわかった場合、男性が選ぶべき主な選択肢は3つあります。

  • まずは話し合う
  • 離婚を協議する
  • 慰謝料請求する

まずは話し合う

最も穏便に解決できる方法が話し合いです。離婚の協議や慰謝料請求と違って、基本的に当事者だけで解決できるからです。まずは離婚を含め「どうするか」を当事者同士で話し合うのが大切です。

調停や裁判で離婚を進めるとなると、長い年月を要する可能性があります。時間だけでなく精神的にも消耗するため、仕事や人間関係に影響が出る恐れがあるでしょう。

当事者同士での解決が難しい場合、以下の第三者に仲介してもらうのがおすすめです。

  • 共通の知人
  • 自分の両親
  • 弁護士

ここで重要なのが、報酬を対価として相手と交渉できるのは弁護士だけという点です。法律の専門家には行政書士や司法書士もいますが、どちらも交渉権を持っていません。したがって、法律的な判断が必要になる場合は弁護士に依頼しましょう。

離婚を協議する

DNA鑑定で親子関係がないということは、妻が婚姻期間中に不貞行為をはたらいたという証明になります。以上の点から、離婚が認められる可能性は極めて高いといえるでしょう。

不貞行為は民法第709条違反となる可能性が高いとされています。

(不法行為による損害賠償)第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用:e-GOV|民法(明治二十九年法律第八十九号)

法律上の親子関係が解消されると、子どもは「父親が存在しない状態」となります。

慰謝料請求する

妻・不倫相手それぞれに慰謝料を請求できます。ただし、慰謝料請求には以下の時効があるという点に注意してください。

  • 不貞行為および不倫相手を知ったときから3年間
  • 浮気・不倫が始まったときから20年間

このうち、いずれか短いほうで時効が成立すると法律で定められています。(改正民法724条)

「DNA鑑定で父親じゃなかった」となる確率は?

調査によれば、DNA鑑定を実施したうちの約8割に「親子関係がある」とわかっています。逆に考えれば、2割(5人に1人)に「親子関係がない」という結果が出ているのです。

2022年12月現在において、DNA鑑定は刑事事件の証拠として扱われることも多く、その正確性はほぼ100%です。したがって、DNA鑑定で「親子関係がない」という結果が出たら、その子どもは「別の父親の子どもである可能性が極めて高い」といえるでしょう。

上述したとおり、嫡出否認は1年以内に提起しなければなりません。すこしでも「父親じゃないのかもしれない」と不安に思うなら、早めにDNA鑑定するべきです。

「父親じゃないかも」と考えるならDNA鑑定するべき

「父親じゃないかも」と考えるならDNA鑑定するべきですが、「DNA鑑定ってどうすればいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。そこで、ここではDNA鑑定に関する以下の点を解説します。

  • 鑑定方法の種類
  • 「父親じゃなかったら」と不安な人が受けるDNA鑑定
  • DNA鑑定するメリット・デメリット

鑑定方法の種類

鑑定方法には主に2種類あります。

  • 私的鑑定
  • 法的鑑定

私的鑑定

私的鑑定とは個人的な確認を目的として行われる鑑定で、被験者本人が検体採取をおこないます。

法的鑑定

法的鑑定とは調停や裁判などで親子関係の証明として利用することを目的とした鑑定で、専門スタッフ立会いのもと検体採取をおこないます。

私的鑑定・法的鑑定ともに検査の方法や精度が異なるわけではありません。DNA鑑定を実施する検査試料の本人性をどこまで確保するのかが大きな違いとなります。目的にあった鑑定方法を選びましょう。どの鑑定方法が適しているか分からない場合はお気軽にお問い合わせください。

「父親じゃなかったら」と不安な人が受けるDNA鑑定

「父親じゃなかったら」と不安な人が受けるDNA鑑定は以下の2つです。

  • 妊娠中DNA親子鑑定
  • DNA親子鑑定

妊娠中の胎児について知りたいのであれば「妊娠中DNA親子鑑定」、出生後の子どもについて知りたいのであれば「DNA親子鑑定」を利用しましょう。

妊娠中DNA親子鑑定

妊娠中DNA親子鑑定は、日本の週数で妊娠7週から利用できます。

検査結果は最短で5営業日でわかります。

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DNA親子鑑定

嫡出否認の調停は、親子関係が証明できなければ不成立となってしまいます。その際に証拠として提出することを考えている場合、法的鑑定を利用しましょう。法的鑑定を利用すれば、鑑定結果を法的書類として提出が可能です。

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DNA鑑定するメリット・デメリット

私的鑑定と法的鑑定には、それぞれメリットとデメリットがあります。ここでは両者のメリット・デメリットを詳しく解説します。

私的鑑定のメリット

私的鑑定は費用を安く抑えられます。例えば「法的DNA親子鑑定」と「私的DNA親子鑑定」を比べてみても、費用は1/2で済みます。

さらに、自宅でできるため、研究所を訪れたり、研究員に出張してもらう必要はありません。検査場を訪れる必要はありません。

私的鑑定のデメリット

私的鑑定の場合、調停や裁判などで親子関係の証明として利用できない可能性があります。なぜなら、鑑定結果の報告は本人性の確保がされていない鑑定結果となるためです。

法的鑑定のメリット

私的鑑定は調停や裁判などで親子関係の証明として利用できます。嫡出否認の調停を検討している場合、事前に法的鑑定を受けて書類を整備しておきましょう。

さらに、スタッフ立ち会いのもとDNA鑑定するため安心できます。

法的鑑定のデメリット

法的鑑定は私的鑑定に比べて費用が高いです。調停を考えていない場合は私的鑑定、調停を予定している場合は法的鑑定がおすすめです。

DNA鑑定なら法科学鑑定研究所

DNA鑑定する場合、DNA鑑定機関を慎重に見極めなければなりません。DNA鑑定機関によってはサンプルに不純物が混じる、他人のものと取り違えるなどのミスが発生する恐れがあります。そうすると、取り返しの付かない事態を招きかねません。

法科学鑑定研究所なら安心してDNA鑑定をご利用いただけます。ここではその理由を3つ紹介します。

  • 世界最高品質の遺伝子解析技術を提供している
  • 経験豊富な鑑定人が在籍し、万全の体制で鑑定する
  • 毎年学術研究論文を発表している

世界最高品質の遺伝子解析技術を提供している

法科学鑑定研究所はDNA検査の専門家が在籍する民間唯一のDNA検査機関で、次のような特徴があります。

  • 全国13都道県地域・弁護士協同組合の特約店である
  • 全省庁統一資格を取得している
  • 日本法科学技術学会で研究論文を多数発表している

優秀な技術力と検査力、厳しい品質管理に支えられた日本製検査の質の高さが評価され、裁判所や警察、医療機関からも多くの依頼を受けている鑑定実績があります。

経験豊富な鑑定人が在籍し、万全の体制で法的鑑定する

裁判の証拠資料として法的DNA鑑定書を提出した場合、技術的な回答や証人尋問を求められるケースは少なくありません。このような場合に重要なのが、適切な対応ができる「鑑定人」の存在です。

鑑定人はDNA検査・鑑定に関する十分な知識と技能、経験を持つことが条件です。法科学鑑定研究所には、経験豊富な鑑定人が多数在籍しています。

毎年学術研究論文を発表している

法科学鑑定研究所は毎年学術研究論文を発表しています。例えば2023年11月には、日本法科学技術学会主催の第27回学術集会で「妊娠中の母体血中胎児DNAを用いた父子鑑定の検討」という題目で検査事例を紹介しました。

このように、学術面においてもさまざまな実績があります。

DNA鑑定を受けて結果が出るまでの流れ

ここからは具体的に、DNA鑑定を受けて結果が出るまでの流れを説明します。

私的鑑定の流れ

私的鑑定の場合、以下のとおりです。

  1. アカウント作成・検査申し込み
  2. 検査キット到着・DNA採取
  3. DNAサンプルの返送
  4. ご報告

「DNA鑑定24」を利用すれば、24時間以内にで鑑定結果が出ます。詳しくは以下をご覧ください。

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法的鑑定の流れ

法的鑑定の場合、以下のとおりです。

  1. アカウント作成・検査申し込み
  2. DNA研究員によるDNA採取
  3. DNAサンプルの返送
  4. ご報告

私的鑑定と同じく、「DNA鑑定24」を利用すれば24時間以内で鑑定結果が出ます。詳しくは以下をご覧ください。

DNA親子鑑定のお申し込みはこちら

DNA鑑定を母親が拒否した場合

母親に拒否された場合、基本的にDNA鑑定を利用することはできません。なぜなら、DNA鑑定は原則として父と母双方の了承が必要だからです。母の同意なく無断でDNA鑑定すると、慰謝料や損害賠償の請求を起こされる可能性があるため注意してください。

母親に拒否された場合、DNA鑑定以外の証拠を用いて親子関係を否定することになります。例えば、SNSやDM、メッセージのやりとりなどです。いかにして状況証拠を集められるか、が鍵を握ります。

そもそもDNA鑑定を拒否するという行為自体が裁判官に「後ろめたいことがある証拠だ」と感じてもらうことができるでしょう。このように状況証拠を提出するという方法があるため、拒否された場合は無理にDNA鑑定を進める必要はありません。

「DNA鑑定で父親じゃなかったら」と不安に思う人の疑問を解決

「DNA鑑定で父親じゃなかったら」と不安に思う人がよく抱く疑問に回答します。ここで回答するのは以下の4つです。

  • DNA鑑定は本当に正確?
  • DNA検査の費用はいくら?
  • DNA鑑定の手順は?
  • DNA鑑定で父親じゃなかったらどうすべき?

DNA鑑定は本当に正確?

正確です。

2022年12月時点において、DNA鑑定の精度は565京人に1人です。つまり、99.99%の精度で識別できるようになっています。

DNA検査の費用はいくら?

法科学鑑定研究所の場合、以下のとおりです。

  • 私的鑑定:33,000円〜
  • 法的鑑定:66,000円〜

DNA鑑定の手順は?

私的鑑定の場合、以下のとおりです。

  1. アカウント作成・検査申し込み
  2. 検査キット到着・DNA採取
  3. DNAサンプルの返送
  4. ご報告

法的鑑定の場合、研究員によるDNAを採取します。

DNA鑑定で父親じゃなかったらどうすべき?

まずは話し合いの場を設けましょう。話し合いがうまくいかなければ、法律上の親子関係を解消し、離婚を協議する流れになります。

「父親じゃなかったら…」と不安に思うならDNA鑑定のご相談を

法律上、血のつながった父親じゃなかったとしても、原則として養育費を支払わなければなりません。つまり、母親に非があるにも関わらず、血のつながっていない子どもを育てなければならないのです。

このような事態を避ける方法が嫡出否認です。嫡出否認が認められれば法律上の親子関係を解消することができます。ただし、嫡出否認するためには出生から1年以内に提起しなければなりません。

したがって、すこしでも「父親じゃないかもしれない」と感じたら、とにかく早めにDNA鑑定を受けるのが重要です。後悔することがないように、まずはDNA鑑定を利用してみましょう。

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