筆跡解析 ESDA
筆跡鑑定 筆圧痕検査の方法
筆圧痕の鑑定方法は、主に射光線法による顕微鏡検査行われてきました。
筆跡解析 ESDAとは
現在、最も有効で科学的な技術が静電検出装置を使用する方法です。
裁判資料などに登場する筆圧痕の解析には”ESDA”という静電検出装置を使用し検査が行われています。
筆跡解析の一種であるESDA(Electrostatic Detection Apparatus)は、電荷感応性バーを使用して書かれた文書の物理的な検査法です。ESDAは、特定の文書が本物であるか、改ざんされたか、または二次的に書き換えられたかを判断するために使用されます。
ESDAは、電荷感応性バーを使用して、書き込みやスクラッチなどの軽微な傷跡を検出することができます。このバーは、非常に微弱な電荷を発生させ、文書の表面に均一に塗布された微粒子トナーを引き付けます。このトナーは、傷跡や書き込みなどの文書の不均一な部分にのみ付着します。
ESDAは、刑事事件や訴訟において、証拠の真偽を判断するためによく使用されます。ESDAの結果は、専門家の目視によって解釈され、さらに分析が進められます。
筆跡解析 ESDAでの解析
肉眼による目視検査では識別できない文字を読み取ることが出来ます。例えば、メモ帳の一番上に書いた文字は、数枚下まで文字の痕跡が残ります。また、契約書などの場合、巧妙に消された文字にも痕跡が残ります。
筆跡はヒトの運動により残されるものです。ですから、運動痕跡は様々な所に存在します。
例えば、複写式領収書や便箋に書かれた遺言書などの偽造判明は、残された2枚目以降をESDAで検査することで、真相を明らかにすることが可能になります。
ESDAによる筆圧痕検査の実際
ESDAは、警察の科学捜査研究所や法科学鑑定研究所などに配備、導入されている検査機器の一つです。この機器は、筆跡鑑定において重要な役割を果たします。具体的には、書かれた文書の微細な凹凸を検出することができます。
ESDAを用いて、さまざまな事件や犯罪に関する文書の解析を行っています。例えば、偽造書類の発見や、詐欺事件における証拠の確認などに役立てられています。
筆跡鑑定におけるESDAは、Electrostatic Detection Apparatusの略で、書かれた文書の微細な凹凸を検出するための機器です。ESDAは、電気静気気力の原理を利用して、書かれた文字や筆跡を検出します。
ESDAを用いて疑問資料を検査する際には、検査資料の前処理(汚れ除去・検体湿度調整)を実施し検体状況を確認後に、ESDAに電源を接続、機器に備わっているボタンやダイヤルを微調整して、疑問資料に帯電させます。
帯電された疑問資料の上にフィルムを置き疑問資料とフィルムの間に微細な空気層を抜き真空状態にすることで、疑問資料の文字や筆跡の凹凸を検出します。これによって疑問資料の解析に役立てることができます。
ESDAでの検査では、特殊加工されたビーズインクを使用します。このインクは、書かれた文字や筆跡の凹凸が微細な電荷の変化を引き起こすように特殊に加工されています。
ESDAでの検査によって、書かれた文字や筆跡の凹凸が特殊なビーズインクによって引き起こされる微細な電荷の変化として感知されます。このようにして検出された情報を、画像やグラフとして表示することができます。
ESDAで検出された情報を、専門家が解析します。ビーズインクを使用することで、より詳細な情報が得られるため、より正確な解析が行えるとされています。
この静電検出装置は筆圧痕をフィルムで証拠として残せます。
つまり検査物にダメージを与えない、非破壊検査が可能なのです。
ですから、この静電検出装置は科学捜査の、さまざまな場面で登場します。文書類に残された微細な圧力でも検出してしまいます。
例えば、疑問印刷物でのプリンターの機種判定プリンターやコピー機には紙を排出するためのローラーが存在します。このローラーは、メーカーや型、製造年代、工場などによって差違が存在します。この違いを、検査することで、プリンターやコピー機を判定しようと研究が進められています。これらの研究が進めば、犯罪などで用いられる紙の識別に大きく貢献します。
偽文書や偽小切手・遺言状・契約書・脅迫状など、さまざまな場面に登場し、真実を暴く最新の科学捜査技術なのです。
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