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筆跡鑑定

筆跡鑑定人の選び方

筆跡鑑定人の選び方

当社で取り扱う筆跡鑑定とは「科学的筆跡鑑定法」(法廷等に対応する物)を指します。

あくまで公の『証拠』として扱われる物だけを取り扱っています。

エセ鑑定人の言い訳

疑似科学、非似科学と呼ばれ、有象無象(うぞうむぞう)と言われてても減らない彼ら。ではなぜ、エセ鑑定人は減らないのでしょう?

刑事訴訟においては、違法収集証拠、任意性を欠く自白調書、疑似科学的証拠など。科学的証拠能力が厳しく問われます。
ですから、裁判所、警察や検察が自称鑑定人に鑑定嘱託(鑑定命令)することは、ありません。

これに対して、民事訴訟においては「裁判所がその証拠や鑑定書を使うことができない」と、いう意味での証拠能力というものは存在しません。

民事訴訟において裁判では「法の解釈・適用」ではなく「事実の認定」で勝敗が決すると、言われており、違法収集証拠や疑似科学鑑定には証拠能力が無いと言われますが、仮に、エセ鑑定人による疑似科学鑑定書であっても、裁判官が実務上、証拠能力を否定しなければならないような鑑定書は稀と考えられています。

つまり民事訴訟であれば、エセ鑑定人の鑑定書を裁判資料として提出することは自由なのです。

これを逆手に取って彼らは、裁判資料の鑑定書です。と言うのですが・・どう思います?もし、あなたが裁判官だとし、疑似科学鑑定書が添えられた訴状や準備書面・・どう思いますか。

疑似科学鑑定は、証拠として採用さることは無く、判決に影響するこはありません。

判決文では、無視されるか科学的な検証を経ていないというその性質上・・と書かれる事が多い。逆に、裁判官・書記官に対し心証を害するダメージの方が甚大です。

次項では、鑑定とは何か、どのような人物が鑑定を行うのか、確認してみましょう。

鑑定人の定義

【鑑定】鑑定

大辞林 第二版 (三省堂)

(1) 科学的な分析や専門的な知識によって判断・評価すること。
(3)〔法〕 訴訟において、裁判官の判断を補助するため、裁判所が指名した学識経験者に専門的知識・判断を報告させることを目的とした証拠調べ手続き。

【学識経験者】がくしき-けいけんしゃ

大辞林 第二版 (三省堂)

専門領域の学問で評価を受け、豊富な経験と高い見識をもつと社会的に認められる人。

【学問】

(WikiPedia)

学問(がくもん)とは、文化の1つで、系統的・体系的知見の総体である。学問の専門家を一般に「学者」と呼ぶ。
現在、ある学問が存在すれば、一般的には、それに関連する学会が(ひとつ乃至複数)存在しており、その学問の発展に関与しており、 各学者は一般的には、当該学問のいずれかの学会の(多くは複数の学会の)会員となっていて、自身の研究の成果を発表することで認知を得たり、 あるいは他の学者の発表を確認することで当該学問の最新の情報を把握し、自身の研究に役立てようと努めている。

日本の学問体系は各種学会を統合する「日本学術会議」もしくは2001年に設立された「総合科学技術会議」のいずれかに組織化されています。

「筆跡鑑定」は自然科学分野の学問に属し「日本法科学技術学会」に所属する法科学者により研究が行われています。

専門領域の学問で評価を受け、豊富な経験と高い見識をもつと社会的に認められる方に、専門的知識・判断を報告させることを「鑑定」といいます。

そして、このようなの方々を「鑑定人」と呼ぶのです。

では、どのような基準で鑑定人を選べばよいのか次項ご説明します。

鑑定人の基準とは

アメリカの法廷では「証拠として採用する基準」を設けています。
筆跡鑑定書も例外なく審査を受け、証拠となるものなのか否かが問われます。

【1993年ドーバート対メレル・ダウ製薬の裁判で示された科学的証拠の許容性基準】
これをドーバート基準と呼ばれ、陪審員制をとるアメリカでは、新規の科学鑑定を法廷で採用するか否かを裁判官がゲートキーパーとして判断する仕組みになっています。

この仕組みは疑似科学を見分ける役割も兼ね備えています。

【ドーバート基準は以下の4点】

1)理論や方法が実証的なテストが可能なこと。

  • 仮説が実験テストなどにより、科学的根拠があること
  • 判定のデータを開示し、第三者が同じ判定結果にならなければ認められません

2)理論や技術がピア・レビューされあるいは出版されていること。

  • 理論や技術が学会など科学者のコミュニティーで点検させていること
  • 理論が学会に論文として発表され、科学者の点検を受けた理論であること

3)結果を評価するために誤差率や標準的な手法が明らかにされていること。

  • 分析的基準が決められ、それがどの程度の誤りが生じるのか明らかにされている
  • 数値や確率には理論的根拠を示し、結果を証明しなくてなりません

4)専門分野で一般的に受け入られていること。

  • 学会などにおける受容の程度が考慮されます
  • どの学会の、どの研究者達が、どう判定して、その結果、どのような評価なのか

日本でも刑事訴訟での裁判では、このドーバート基準による鑑定書の審査が行われる事もあります。
つまり、裁判官は提出された鑑定書をこの基準で捉えています。

ですから、一般の方で筆跡鑑定が必要と考え鑑定人を選ぶ場合、この基準が有効になります。

当社ではドーバート基準を基として、具体的な判定条件を定義しています。

鑑定人としての条件を下記の条件の内、4項目以上満たしている人物を鑑定人として定義しています。

【鑑定人定義-法科学鑑定研究所】

  1. 科警研もしくは科捜研で法科学鑑定業務に従事した経験を有するもの。
  2. 大学准教授以上で、鑑定対象に於いて一定の識見を有するもの。
  3. 日本法科学技術学会、もしくは、これに準ずる団体の正会員。
  4. 裁判所・検察・警察からの鑑定嘱託経験者もしくは司法委員経験者。
  5. 鑑定対象に付随する公官庁業務受託経験者、もしくは同公務員出身者。
  6. 鑑定の技術開発、制度の整備等に寄与したと認められるもの。
  7. 鑑定結果が、新しいもの、もしくは特筆すべきものとして、判例タイムスなどの書籍に掲載されたもの。
  8. 鑑定人Sランク者2名以上から特別な識見もしくは実績を有するとし、書面で推薦を受けたもの。
  9. 鑑定を進める上で特別な識見を持ち、鑑定人Aクラスに準ずる能力があると認められるもの。
  10. Bランク鑑定人もしくはAランク研究員として、3年以上の経験を有するもの。

当社の鑑定人は前記の項目を概ね6項目以上は満たしており、定義条件の4項目は必要最低限のものなのです。

確かに「筆跡鑑定人」と「自称」する事は誰でも自由ですが、最小限の条件を満たさない事には、裁判所・弁護士はおろか企業からも相手にされないでしょう。

鑑定人に相談するときは、前掲の条件について尋ねてみると良いかもしれません。