Traffic Accident

塗装 & 塗膜片 塗料 からの分析

塗装・塗膜片 塗料 からの分析,塗料飛散

塗装 & 塗膜片 塗料 からの分析

 車両痕跡や接触部分から 塗装 ・ 塗膜片 を科学分析し真実を導きだします。

 交通事故鑑定において、塗装と塗膜片の分析は非常に重要です。交通事故現場において、車両の塗装が傷ついたり、削れたりすることがあります。このような場合、塗装の状態を評価することで、事故の原因や衝突の状況を推測することができます。

 交通事故鑑定において、塗装と塗膜片の分析は、車両がどのように衝突したかを推測するために必要な情報を得ることができます。例えば、車両の塗装に異物が付着している場合、その異物がどのように付着したかを調べることで、衝突時の車両の位置や衝突の状況を推測することができます。また、塗装が削れている場合、削れた面の形状や位置から、衝突時の車両の接触角度や速度などを推定することもできます。

 法科学鑑定研究所では、交通事故鑑定において塗装と塗膜片の分析を行い、車両の衝突状況を推定することができます

塗装 & 塗膜片 の構造

 交通事故では最初の小さな接触が大事故に発展するケースが多いのです。この初期接触を探るためにも、塗膜分析が必要不可欠なのです。車両の塗装は、表面から下層に向かって、以下の3層で構成されています。

 上塗り層(上塗り):車両の外観を美しく保つための表面層で、光沢を出す役割があります。通常、クリアコートと呼ばれる透明な塗料で覆われています。

 塗料層(中塗り):上塗り層の下にある層で、車体の色や質感を決定する役割があります。複数の層からなることがあり、色の濃淡や彩度を調整するために、混色が行われることもあります。

 下塗り層(下塗り):塗装が車体に密着しやすくするための下地処理層です。下地処理剤が塗布され、素材の表面を凹凸にして接着力を高めます。また、下塗り層は防錆剤の効果もあるため、車体の長寿命化にも役立ちます。

 これらの層を分析することで、塗装の状態を調べ、交通事故の原因や衝突の状況を推定することができます。初期接触を探るためには、塗装の削れやすさや硬度、密着度などの物性を評価することが重要です。また、塗膜片の分析により、塗装の種類や厚み、塗装の歴史や状態を調べることができます。これらの情報を総合的に分析することで、交通事故の状況を詳細に推測することができます。

塗装の構造

上塗り層(上塗り) : 熱硬化性アクリル樹脂塗料
塗料層(中塗り) : アルキド樹脂塗料
下塗り層(下塗り) : エポキシ樹脂塗料

塗装は車種・年式・部位によって異なり、同色車両でも成分に違いがでます。
同一車両でも生産時期、生産工場により成分の違いによって、また車両使用環境、使用頻度や日焼けなどで成分の違いがでます。
この成分を分析することで、車両の特定が可能になります。分析の精度は、極めて高く、事故後偽装しても容易に識別が可能になるのです。

塗膜の分析方法

分析方法は採取された検査資料に赤外線を照射して透過もしくは反射した光を測定する「赤外分光法」、「走査型電子顕微鏡による断面の観察」、顕微鏡に付随する「エネルギー分散型マイクロアナライザ」による検査、などの検査法を用い塗料の元素分析を行い車両の特定を行ないます。

赤外線スペクトル(模式)

赤外線スペクトル(模式)

エネルギー分散型マイクロアナライザ(模式)

エネルギー分散型マイクロアナライザ(模式)

これらの分析は様々な場面で登場します。人身事故での運転者と歩行者の場合、歩行者衣服からの塗膜片を検出し分析することにより、正確な衝突位置、衝突方向なども解析可能になります。

安全速度航行中に走行軌道が急に乱れ、反対車線などに飛び出し、対面衝突事故を起こした車両を、くまなく分析すると、車体下部に衝突箇所を発見する場合も多く、その衝突箇所の成分を分析し初期接触物を解明し交通事故の真実を探って行きます。

塗装&塗膜片の分析と費用

 隣の車両から受けたドア接触事故(ドアパンチ)や建造物との接触事故、当て逃げ事件など、損傷部位に残された接触相手の塗装・塗膜片に対して、成分分析による同一性調査をいたします。

 接触事故が起きると、損傷部分に接触した相手の塗装(塗料)が付着残留します。「車 対 車」だけでなく、塗装されている物体がフェンスやシャッター、看板・電柱・ブロック壁などに衝突すると、キズが生じる際に塗装が付着残留します。この残留した塗装(塗料)と接触相手の塗装の成分を比較分析することで同一塗料かどうかを判別し、衝突・接触の事実関係を明らかにします。

交通事故跡

塗装/塗膜片からの成分分析費用

現場・実車見分/出張採取

内 容 単 位 検査費用
車両や建造物の確認・見分・試料採取
(写真撮影等の証拠保全含む)
※出張費含まず
1案件 80,000円〜
内 容 単 位 検査費用
塗装・塗膜片の主成分分析 1検体 150,000円〜
異同識別分析
(分析試料間による比較)
1組 80,000円〜
分析試料追加 1検体 70,000円〜

損傷・被害状況が確認できる写真等をご用意のうえご相談ください。

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塗装&塗膜片からの分析

 法科学分野の塗装&塗膜片分析は、一般的に、犯罪現場や事件の解明において、塗料が重要な証拠となる場合に行われる研究や分析のことを指します。

 具体的には、犯罪現場での塗装&塗膜片の特性が、事件の再現や犯人の特定に役立つことがあります。例えば、自動車事故現場での塗装&塗膜片の付着パターンから事故の経緯を推定したり、建物の壁や衣服などからの塗料の分析によって、犯人の行動や犯行経路を特定することがあります。

 当社では、専門の技術や機器を用いて、塗料の成分や特性、飛散パターンなどを分析し、事件解明のための証拠をご提供させて頂きます。

 

塗料飛散分析

 「塗料飛散」または「ペンキミスト」は、塗料やペンキなどが噴霧されたり、塗布されたりする際に、微小な粒子が空中に拡散している状態を指します。そして空中に飛散した塗料やペンキが他の物体に付着します。この現象は、塗料が塗られる対象以外の場所にも到達する可能性があります。

 「塗料飛散分析」とは、塗料飛散の現場で収集された塗料の粒子や痕跡などを解析することを指します。この分析には、化学的な手法や顕微鏡を用いた観察、物理的な試験などが含まれます。これによって、塗料の種類、成分、塗布された表面の特性、塗料が拡散した経路などが明らかになり、事件解明に役立ちます。

 当社は塗料飛散分析サービスを提供しています。塗料飛散は、犯罪捜査や事故調査などの重要な手がかりとなる場合があります。私たちは、専門の技術と豊富な経験を活かして、塗料飛散の現場調査からサンプルの収集、顕微鏡観察、化学分析までを迅速かつ正確に行います。お客様のニーズに合わせて柔軟に対応し、事件解明や事故の原因究明に貢献することをお約束します。詳細については、お気軽にお問い合わせください。