毒物 検査
毒の歴史は非常に古く、ナポレオンの遺髪から多量のヒ素が検出され、毒殺の可能性も論じられています。
毒の歴史の初期には自然界に潜む自然毒が中心でしたが、技術の進化により人工的な化学物質が社会生活にの中に入り込み、毒物の種類も多種多様になってきています。
毒物 中毒
実は 毒物 による中毒死は、外表面や内部所見(解剖)から 毒物 中毒と判断できるのは、ごく一部の薬毒物だけなのです。
また、中毒を疑われる患者の場合、原因薬毒物について基本的な情報が医師に伝えられていれば、診断は、さほど難しくありません。
しかし、情報が皆無の場合、薬毒物中毒症状は、一般的な消化器系疾病や中枢神経疾患と類似した症状を示すことが多く判断が難しくなります。
ですから、毒物中毒の疑いが持たれる場合、薬毒物の化学的検査を得て、総合的に中毒死と判定します。
分析対象となる 毒物
毒物の種類 | 検査対象薬物 |
---|---|
重金属 | 水銀・カドミウム・鉛・ヒ素 タリウム・青酸カリ・硫化水素など |
農 薬 | 有機リン系・ピレスロイド系・アミジノヒドラドン系 有機塩酸系・カーバメイト系・ネオニコチノイド系など |
動物毒 | ヘビ・クモ・ハチ・クラゲ・毒カエル・毒貝など |
植物毒 | トリカブト・チョウセンアサガオ・ドクニンジン・毒キノコなど |
※対象となる毒物は複数ございます。
人体に有害な他の化学物質の検出も行っておりますのでご相談ください。
毒物 摂取の証明
検査試料 | 試料の説明 |
---|---|
毛 髪 | 体内に入った薬物のほとんどが体外に排出されますがその一部は毛髪や体毛に蓄積します。 毛髪や体毛に蓄積した薬物を検出します。 |
食品など | 食品等に混入が疑われた場合その食品から目的薬物を検出します。 |
検査試料 | 検査の必要量 | 有効期間 |
---|---|---|
毛 髪 | 10mg(約50本) | 摂取後 数年間 ※毛髪の長さによります |
食品など | お問い合わせ | お問い合わせ |
分析費用
検 査 | 検査試料 | 費 用 |
---|---|---|
重金属検出検査 (スクリーニング検査) |
毛 髪 | 400,000~ (円/検体) |
化学物質検出検査 | 食品など | 150,000~ (円/検体) |
※重金属スクリーニング検査ではご指定頂いた重金属の分析も行うことが可能です。
※化学物質検出検査は、分析対象の化学物質によって大きく分析方法が異なります。専門の研究員が適切な検査方法をご案内させていただきますので、お気軽にご相談ください。
※刑事事件で毛髪から毒物分析を行う場合毛髪の採取に弊社研究員の立会いが必要となります。
主な分析法
- イムノクロマトアッセイ
- GC-MS分析(ガスクロマトグラフィー質量分析)
- ICP-MS分析(誘導結合プラズマ質量分析)
など
法薬毒物の専任担当者が対応いたします。 お気軽にお問い合わせ下さい。
毒物 犯罪とは
毒物は弱者の凶器と呼ばれることもあります。もし、誰かを殺害したいと考えた時どんな方法を考えるでしょう。
包丁で襲いかかる=当然反撃が考えられ、場合によっては自分が殺されかねません。
車でひき殺す=場所・時間・の問題と目撃者がいれば直ぐに逮捕されます。
誰かに手伝わせる=その後の対応と証拠の隠滅が酷く複雑になります。
事後=どのような殺害方法も相手の死体と向き合わなければなりません。
しかし、毒物犯罪は、殺害現場に立ち会う必要がありません。無味無臭の粉末や液体を飲食物に混ぜるだけです。
また、微量を長期間に渡り投与すれば、死因の判定が難しくなって行きます。そのために、実感が薄い犯罪とも言われています。
非力な女性にも扱えることから、数々の歴史を持つ犯罪です。