Hair

毛髪鑑定とは

毛髪鑑定

毛髪とは、本人が知らない間に落とす可能性が高い証拠資料で、犯罪現場のさまざま場所にたくさん落ちています。
毛髪は、付着している物や凶器、また、落ちていた場所により、犯人と被害者など事件に係わった人物との繋がりや、
犯人と被害者の接触を明らかにする事が出来る、有効な証拠資料の一つです。

毛髪

毛髪鑑定とは

毛髪の鑑定は、1種類の検査方法で遺留毛髪の異同識別が出来るとお考えの方々多いようです。

実際の毛髪鑑定では、形態学的検査、血液型学的検査、元素分析検査、DNA型検査を経て個人を識別し特定しています。

毛髪鑑定

毛髪鑑定の手順

鑑定の方法を、簡単に表化して説明すると・・・・

難易度 検査内容 判明すること
レベル1. 外観検査 毛か否か?
レベル2. 形態学検査 人毛か否か?
人毛なら何処の毛か?
美容?外傷?病的?
レベル3. 血液型学検査 持ち主の血液型?
レベル4. 元素分析検査 主要な元素の違いは?
レベル5. DNA型検査 DNA型は?

各検証資料に合わせ、段階的に複数の検査を行います。(検査種類が多いほど、精度は高まります)
資料を検証する → 実験方法を選択する → 実験する → 実験結果を解析する → 結論する。
これが法科学鑑定です。

つまり・・・たった1つの検査方法では、毛髪の異同識別は語れない・・・のです
ですから、検査資料を様々な方向から検証し結果を得るのです。
ご理解いただけましたでしょうか?

自然脱落毛と抜去毛

毛髪の自然脱落毛は、一般成人の場合、一日30~100本程度とされています。
~では、事件の犯行現場に犯人の自然脱落毛は落ちてるのでしょうか~
・・答えは・・
「犯人が気が付かない、犯人の自然脱落毛は、ほとんど落ちていません」

犯行現場に落ちている、または、証拠物件に付着している毛の多くは、被疑者と関係のない、被害者やその他の第三者の毛である事がほとんどです。犯罪現場が住宅であれば、落ちている毛のほとんどは、その住宅に暮らす人のものであり、その中に犯行時に犯人が落としたかも知れない毛が含まれる可能性は極めて少ないのです。

自然脱落毛のほとんどは、洗髪、ブラッシング、枕との接触により圧力が掛かった場合にのみ抜け落ちます。
したがって、何気なく本人が知らずに抜け落ちる毛髪は1日に十数本程度と考えられます。

ですから、仮に犯行時間が1時間程度と考えると、犯人が気付かないうちに自然に抜け落ちるの毛髪は、1本あるか、ないか・・です。もし、犯行現場に犯人の毛髪が十数本発見されたとしたらそれは、「異常な事態が起きた」と考察する事ができます。

この異常な事態には2通り考えられます。
一つめは「長時間の滞在」です。
もう一つは強制的に毛髪を抜いた「抜去毛」です。

事件に関連して発見された毛髪が、自然に抜け落ちたものか、または、強制的に引き抜かれたものかの判定は、重要な鑑別事項になります。

~例えば~
犯人と被害者がもみ合いになり、犯人や被害者の髪の毛を掴んだりした場合
凶器で、犯人や被害者の頭部を殴打した場合
壁や床に犯人や被害者の頭部を擦りつけた場合
など
抜去毛は多くの状況を推測する事が可能になります。

ですから、抜去毛も他の証拠同様に「いつ」「どこで」「どの様な状態」で採取されたのかが重要になってくるのです。
「自然脱落毛」は、毛根の細胞が萎縮・退行し角化しているので毛根鞘は付着することはなく乾燥しています。
「抜去毛」は「毛根鞘」が付着し膨らんでいて、湿潤です。

そしてこの「毛根鞘」をDNA鑑定することで、個人の特定が可能になるのです。

毛髪の形態変化

毛髪は、外圧に強くあまり変形が起きません。
しかし、強い力で牽引されると断裂や亀裂が観察することができます。また、鈍器で打たれるとヘコミ、圧挫など形態が観察されます。
さらに、鋭利な刃物で切られた場合は、正鋭の断端が見られ、加熱されれば気泡を生じ、膨張・湾曲や加熱切断が観察されます燃焼の場合は燃焼切断が見られます。

交通事故などで車両見分を行う場合、そこに被害者は居ません。ですが、車体から採取された毛髪の形態検査を行うと、圧座された毛髪や引き裂き断裂した毛髪が発見されます。
被疑者がいなくても、発見された位置や外観形状を精査することで、事故の状況を推測することも可能な場合もあります。

また、事件現場を疑われる室内を探査すると、さまざまに形態変化した毛髪たち
もし、現場のソファーから圧挫が観察される毛髪が数本発見されたとしたら・・
(・・いろいろ考えられますよね♪)

これらのように、事件現場から採取された毛髪の形態検査を行うことで、その現場で、なにが起きたのかを推測することが可能になるのです。

最近のコメント

表示できるコメントはありません。