Bloodstain

血痕の証明

血痕の証明

 醤油やジュース、塗料、錆などは、血痕と見間違えられることがあります。

 しかし、もし血痕のようなものを見つけた場合は、まずそれが本当に血痕であるかどうかを確認する必要があります。

 血痕と思われるものが付着している形状や場所によっては、実際には血液ではない場合もあるため、慎重に検証する必要があります。

血痕の証明

血痕事前検査

 血痕の疑いがあるものが本当に血痕であるか否かを判断するためには、「事前検査」や「本検査」と呼ばれる検査を実施する必要があります。肉眼では識別できない血痕の場合でも、特定の物質に反応する試薬を使用して検出することができます。

 事前検査では、肉眼で確認された物質に対して、血液中に含まれる特定のタンパク質や鉄イオンを検出するための試薬を使用し、血痕の可能性があるかどうかを確認します。本検査では、事前検査で確認された物質をより詳細に分析し、血痕であることを確定します。

ロイコマラカイト緑法

ロイコマラカイト緑法

事前検査

斑痕が血液かどうか調べる試験
・顕微検査法などを用い「シミ」が血痕なのか否かを観察します。
ⅰ)ルミノール試験
ⅱ)ロイコマラカイト緑法
ⅲ)過酸化水素試験法
ⅳ)フルオロセイン試薬法

 観察されたシミが血液らしいと判断されると滅菌水やバッファーを用いて一部を濾紙転写します。ロイコマラカイトグリーン(下記に別途説明)などの試験薬にて血液反応を観察・確認します。(血痕が汚染されている場合、滅菌水・エタノール・アセトンなどを使用、洗浄処理します)

血痕本検査

本検査

予備試験で陽性となった検体に対して、本試験を実施します。
・更に血液に相違ないかを確定するため、鋭敏度より確認度を求めて実施します。
ⅰ)ヘモクロモーゲン結晶法
ⅱ)クロール・ヘミン結晶法
ⅲ)ヘモクロモーゲンスペクトル法
ⅳ)血球検査
この2段階検査の意味は、
<事前検査> = 鋭敏度重視検査
<本 検 査> = 高精度重視検査
事前検査で簡易的血痕探査を行い、本検査で血痕の証明を行う、と言うことなのです。

隠された血痕を探査する

 血痕は、ヘモグロビンによる赤色で、体液斑痕の中では、最も目立つ存在です。
ですから、血痕は確認のしやすさから、事件・事故証拠の隠滅 (洗浄・拭き取りなど)される事も多くあります。

血痕調査

 そこで、手が加えられた物品から、血痕探査が実施されます。

 目視できない、ポケットの内側の縫い目、畳の縦目地、シートの隙間、衣服の黒地部分など見落し易い場所を調べ、決定的な証拠を探し出して行きます。

隠された血痕を探査する
血痕の探査は、事件の真相を推理し証拠を探し出す作業です
ですから、最もシャーロック・ホームズ的な捜査である。と言えますよね。

ルミノール検査法

 映画やドラマに登場するルミノール検査法とは、血痕を発見し、その血痕が本当に「血」なのかを調べる方法です。

「ルミノール」は、3-アミノフタノール酸ヒドラジッドというアルカリ性の試薬の俗称です。

このルミノールに、無水炭酸ソーダと過酸化水素水を加えたものを噴霧すると、血液(赤血球)に含まれる鉄と銅(ヘミン)がルミノールと化学反応を起こして、青白い「蛍光」を発することを利用したものです。

ルミノール
ルミノール試験の証拠画像

ルミノール試験の証拠画像

左=血痕が付着した紙 右=血痕様を拭き取ったと考察されるティッシュ

左=マスターサンプル 右=疑問試料

この様に、マスターサンプルと疑問試料を同時撮影し間違いなく、疑問試料にルミノール反応が有ることを証明する。

ルミノール検査では、血液と判定されても、それが人のものか人以外の動物のものか判定できません。

 ルミノール検査で血液と判定されると、人血/獣血判別検査を行います。

 人の血液と獣血を見分けるには「血清」を用いて判定するのが一般的です。
血痕の鑑定は以下の手順で進められて行きます。

①外観検査→②血痕予備検査→③人血検査→④血液型検査→⑤DNA型検査

①の外観検査の結果、血痕があるかも知れない?そこで登場するのがこのルミノール検査です。
ただし、交通事故の車内や、傷害事件現場などあきらかに血痕と推認される場合には、この検査工程を飛ばし、直ぐに人血検査を行います。ルミノール検査は飛沫血痕を探す場合や拭き取った血痕を探す場合などに威力を発揮します。

最新の血痕探査試薬

最新の血痕探査試薬

最新の血痕探査試薬

現在の最新科学捜査では目視できない血痕も様々な手法で発見し、捜査や裁判の証拠として重要な役割を担っています。
科学捜査用としてフランスで開発された強力な最新試薬、ルミノールの数倍以上の感度と明るさがある。
つまり、微量や汚れた検体でも、これなら血痕を発見できてしまう。
じつは、血痕は洗った程度では、なかなか消せません。

洗ったり証拠隠滅し見えなくなった血痕でも超高感度検査試薬の開発でいとも簡単に発見することが可能になりました。
複雑化・多様化する案件が急増する現在に於いて、2次的検査は必須です。ルミノール検査は、一度検出すると、それ以降の2次検査は困難となります。
しかし、最新の科学捜査用検査試薬たちは、DNAに影響を及ぼしません。
ですから、血痕発見後、人獣検査やDNA型検査が可能となります。
犯行現場を隠すために壁紙を貼り替えたあの事件でも、容易に血痕を探しだしたのは、記憶に新しいところですよね。

血痕は洗った程度では消せません

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