血縁関係の種類
血縁鑑定では、被検査者間の遺伝形質を調べる事により実施されます。
そして、その遺伝形質の濃さにより、判定する方法が変わってきます。
同胞鑑定
同 胞 鑑 定 | |||||
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血 縁 関 係 | ゲノム 占 有 率 |
分 類 | 関 係 | Y染色体 | mtDNA |
第一度 血縁関係 |
50% 2分の1 |
親子 | 父と子 | 100% | 0% |
母と子 | 0% | 100% | |||
同胞 | 兄弟 | 100% | 100% | ||
姉妹 | 0% | 100% | |||
その他の同胞 | 0% | 100% |
親子関係も兄弟姉妹間関係も、同じ第一度の血縁関係にありますが、判定方法は全く異なります。
半同胞鑑定
半同胞鑑定 | |||||
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血 縁 関 係 | ゲノム 占 有 率 |
分 類 | 関 係 | Y染色体 | mtDNA |
第二度 血縁関係 |
25% 4分の1 |
祖父母 と 孫 |
父方祖父と男孫 | 100% | 0% |
母方祖母と孫 | 0% | 100% | |||
その他の半同胞 | 0% | 0% | |||
叔父叔母と 母と 甥/姪 |
父方叔父/ 叔母と甥 |
100% | 0% | ||
母方叔父/ 叔母と甥/姪 |
0% | 100% | |||
その他の半同胞 | 0% | 0% | |||
半同胞 | 異父の同胞 | 0% | 100% | ||
異母の兄弟 | 100% | 0% | |||
その他の 異母兄弟 |
0% | 0% |
半同胞鑑定では、ゲノム占有率が25%しかない事から2者間の鑑定では判定不能に陥ります。
その為に、同一半同胞者を複数人検査する必要があります。
半々同胞鑑定
半々同胞鑑定 | |||||
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血 縁 関 係 | ゲノム 占 有 率 |
分 類 | 関 係 | Y染色体 | mtDNA |
第三度 血縁関係 |
12.5% 8分の1 |
従兄弟 | 父同士が兄弟 | 100% | 0% |
従姉妹 | 母同士が姉妹 | 0% | 100% | ||
半々同胞 | その他の従兄弟 | 0% | 0% |
第三度血縁関係では、生物学的血縁判定は困難になります。その為に同一母系者なのか同一父系者の判定を行います。
併用される分析技術
相続をめぐる裁判などで、血縁関係のDNA鑑定に関して裁判所や弁護士さんから、良くお問い合わせを頂きます。
家系図を拝見させて頂いて、このポジションと、この血縁関係を証明したい
DNA鑑定の費用と、期間を教えて下さい。・・と
残念ながらDNA鑑定は、なんでも出来る魔法ではありません
まず、DNA鑑定に参加できるのは、この家系図で・・どの方ですか?
また、その方の病理試料や臍帯、歯ブラシなどの日用品はお持ちではないでしょうか?
現在、広く用いられているSTR法は、個人識別には長けていますが血縁者間の識別能力は、けっして高いとはいえません。
マルチプレックスキットを用いて24ヶ所のSTRを組み合わせる試験法にてトリオ鑑定では・・安定した高い精度が得られます。
ですが・・第二度血族や第三度血族になると尤度比の計算は出来るものの、あやふやな判定になりかねません。
そこで、考えられる技術を併用します。マルチプレックス24ヶ所のSTRに加え、男性から男性に遺伝されるY染色体の(Y-STR)、母系遺伝するミトコンドリアDNA(mtDNA)。これらを追加検査することで、尤度比の上がりにくい血縁関係を証明していきます。
検査方法はこちらで紹介しています。→DNA鑑定の方法以前は、SLP法や違う型のマルチプレックスを併用することもありましたが、現在は、Y染色体とmtDNAを併用する血縁関係のDNA鑑定がグローバルスタンダードになっています。