毛髪鑑定

毛髪とは、本人が知らない間に落とす可能性が高い証拠資料で、
犯罪現場のさまざま場所にたくさん落ちています。

毛髪鑑定

毛髪は、付着している物や凶器、また、落ちていた場所により、
犯人と被害者など事件に係わった人物との繋がりや、
犯人と被害者の接触を明らかにする事が出来る、有効な証拠資料の一つです。

自然脱落毛と抜去毛

毛髪の自然脱落毛は、一般成人の場合、一日30~100本程度とされています。

~では、事件の犯行現場に犯人の自然脱落毛は落ちてるのでしょうか~

・・答えは・・
「犯人が気が付かない、犯人の自然脱落毛は、ほとんど落ちていません」

犯行現場に落ちている、または、証拠物件に付着している毛の多くは、
被疑者と関係のない、被害者やその他の第三者の毛である事がほとんどです。

犯罪現場が住宅であれば、落ちている毛のほとんどは、その住宅に暮らす人のものであり、
その中に犯行時に犯人が落としたかも知れない毛が含まれる可能性は極めて少ないのです。

自然脱落毛のほとんどは、洗髪、ブラッシング、枕との接触により
圧力が掛かった場合にのみ抜け落ちます。

したがって、何気なく本人が知らずに抜け落ちる毛髪は1日に十数本程度と考えられます。

ですから、仮に犯行時間が1時間程度と考えると、
犯人が気付かないうちに自然に抜け落ちるの毛髪は、1本あるか、ないか・・です。

もし、犯行現場に犯人の毛髪が十数本発見されたとしたら
それは、「異常な事態が起きた」と考察する事ができます。

この異常な事態には2通り考えられます。
一つめは「長時間の滞在」です。
もう一つは強制的に毛髪を抜いた「抜去毛」です。

事件に関連して発見された毛髪が、
自然に抜け落ちたものか、または、強制的に引き抜かれたものか
の判定は、重要な鑑別事項になります。

~例えば~
犯人と被害者がもみ合いになり、犯人や被害者の髪の毛を掴んだりした場合
凶器で、犯人や被害者の頭部を殴打した場合
壁や床に犯人や被害者の頭部を擦りつけた場合
など
抜去毛は多くの状況を推測する事が可能になります。

ですから、抜去毛も他の証拠同様に
「いつ」「どこで」「どの様な状態」で採取されたのかが重要になってくるのです。

「自然脱落毛」は、毛根の細胞が萎縮・退行し角化しているので
毛根鞘は付着することはなく乾燥しています。

「抜去毛」は「毛根鞘」が付着し膨らんでいて、湿潤です。

そしてこの「毛根鞘」をDNA検査することで、個人の特定が可能になるのです。

毛髪の形態変化

毛髪は、外圧に強くあまり変形が起きません。

しかし、強い力で牽引されると断裂や亀裂が観察することができます。
また、鈍器で打たれるとヘコミ、圧挫など形態が観察されます。

さらに、鋭利な刃物で切られた場合は、正鋭の断端が見られ、
加熱されれば気泡を生じ、膨張・湾曲や加熱切断が観察されます。
燃焼の場合は燃焼切断が見られます。

交通事故などで車体見聞を行う場合、そこに被害者は居ません。(よね)
ですが、車体から採取された毛髪の形態検査を行うと、
圧座された毛髪や引き裂き断裂した毛髪が発見されます。

被疑者がいなくても、発見された位置や外観形状を精査することで、
事故の状況を推測することも可能な場合もあります。

また、事件現場を疑われる室内を探査すると、さまざまに形態変化した毛髪たち
もし、現場のソファーから圧挫が観察される毛髪が数本発見されたとしたら・・

(・・いろいろ考えられますよね♪)

これらのように、事件現場から採取された毛髪の形態検査を行うことで、
その現場で、なにが起きたのかを推測することが可能になるのです。